目次
Switch(有機ELモデル)にジュースがかかって電源が入らなくなってしまったとご相談を頂きました。
郵送修理ポストリペアでは、Switch(有機ELモデル)も修理対応可能です。
今回ご依頼頂いたお客様は、任天堂さんに依頼するも「基板交換になるのでデータは消失する」と案内を受けられたそうです。
WORKS
これまでに行った修理についてご紹介します。
2022年03月08日
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Switch(有機ELモデル)にジュースがかかって電源が入らなくなってしまったとご相談を頂きました。
郵送修理ポストリペアでは、Switch(有機ELモデル)も修理対応可能です。
今回ご依頼頂いたお客様は、任天堂さんに依頼するも「基板交換になるのでデータは消失する」と案内を受けられたそうです。
Switch(有機ELモデル)は従来モデルより画面が大きくなっています。
従来モデルが6.2インチに対して、Switch(有機ELモデル)は7.0インチになってそうです。
スタンドも非常に頑丈になっています。
従来モデルはスタンドが折れてしまっている個体が多かったのですが、Switch(有機ELモデル)は折れることはなさそうです。
それでは今回はSwitch(有機ELモデル)の水没復旧作業を解説いたします。
【使用する工具】
プラスネジドライバー
Yネジドライバー
ヘラ
ピンセット
粘着剥がし
超音波洗浄器
分解前にゲームソフトとmicroSDカードが入っていないか確認します。
まずは本体上部…
ゲームソフトが入っていれば作業台上に保管しておきます。
そして…
microSDカードが入っていないかも確認しました。
それでは早速分解します!
Switch(有機ELモデル)は従来モデルと同じように、背面パネルはネジで固定されています。
まずは本体下部に2本ネジが付いています。
ネジの形状はプラスです。
上部にも1本、同じ形状のネジが付いています。
そして側面に3本のネジが付いています。
背面パネルを固定しているのは一番上のネジだけです。
側面もプラスネジで固定されています。
反対側の側面も同じく一番上のネジで背面パネルが固定されています。
ネジはこれだけではありません。
スタンドを開くと…
両端に1本ずつネジが付いていました。
ここだけYネジが使われていました。
これらのネジを外します。
・上部にプラスネジが1本
・両側面にプラスネジが1本ずつ
・下部にプラスネジが2本
・スタンド内にYネジが2本
これらのネジを外すことで…
背面パネルを持ち上げることが出来ます。
軽くツメで固定されていますが、このまま持ち上げることで…
背面パネルを取り出すことが出来ました。
Switch(有機ELモデル)も従来モデル同様に、基板は銀板で覆われています。
その銀板の上に…
このようにジュースが付いて固まっていました。
銀板はネジで固定されています。
ネジの形状は全てプラスです。
ひとまず8か所のプラスネジを外します。
本体の真ん中あたりに…
2本のアンテナが止まっていました。
プラスチック製のヘラを引っ掛けて…
持ち上げることで外せます。
もう片側にも同じように引っ掛けて…
持ち上げて外します。
これら2本のアンテナケーブルは…
絶縁テープで銀板に固定されています。
ピンセットなどを使って絶縁テープを剥がします。
アンテナケーブルは所々ツメで固定されていました。
他の場所も同じように剥がします。
合計4枚の絶縁テープを剥がしました。
これで銀板のツメからアンテナケーブルを外すことが出来ます。
アンテナケーブルの下にまでネジが1本残っています。
このネジも外します。
銀板を取り出すのに外すべきネジは合計9本です。
ネジを全て外すことで…
銀板を取り出すことが出来ました。
本体内部を見てみると…
銀板にもあったジュースが乾いた跡が見られます。
やはりジュースにより基板がショートしてしまったようです。
銀板を取り出したらまずは…
バッテリーコネクタを外します。
ピンセットなどでケーブルを挟んで持ち上げることで…
このように外すことが出来ます。
バッテリーコネクタを外すのにもある程度の慣れが必要です。
無理に外すと以下のような状態になります。
Switch Liteを自分で修理してバッテリーコネクタが取れた!基盤修理で電源が入るよう改善!
ちなみに、こちらがSwitch(有機ELモデル)に搭載されていたバッテリーです。
型番:HAC-003
容量:4310mAh 16.0Wh
電圧:3.7V
従来モデルも全く同じバッテリーでした。
基板を取り出すにはある程度パーツを取り出す必要があります。
まずはゲームソフトトレイ/SDカードトレイ基板です。
この基板は上部に隠しネジがあります。
白いシールを剥がすと…
このようにネジが出てきました。
ネジを外すことで…
この通り取り出すことが出来ました。
ちなみに、この基板は…
赤線部分のコネクタによってメイン基板に接続されていました。
次はヒートパイプです。
プラスネジ3本で基板に固定されています。
ネジ3本取り出すことで…
取り出せました。
取り出すパーツは以上です。
次に基板に接続されているケーブル類を全て抜きます。
Switchにはこの形状にケーブルが採用されています。
黒い部分のツメが倒れることでケーブルを固定しています。
ツメにヘラを引っ掛けて…
このようにツメを起こします。
これでケーブルの固定が解除されました。
後は…
ピンセットで引き抜きます。
同じ形状のケーブルが…
合計4箇所あります。
大きさは違えど、外し方は同じです。
先ほどの方法で全てのケーブルを…
この通り外しました。
まだ外すべきケーブルが残っています。
それがこのスピーカーケーブルです。
スピーカーケーブルは…
毛抜きなどで挟みます。
かなり強力に固定されていますが…
引っ張ることで外すことが出来ます。
反対側のスピーカーケーブルも同じように挟んで…
引き抜きます。
これでケーブル類は全て外せました。
次は基板を固定しているネジを外します。
外すべきネジは合計5本で、全てプラスネジです。
5本全てのネジを外します。
注意すべきは場所によってネジの長さが違うことです。
このように長かったり短かったりします。
どこにどのネジが留まっていたか分かるようにする必要があります。
ネジを全て外せたら…
基板を持ち上げます。
ケーブルが引っかかっていないか注意しながら持ち上げると…
このように基板を取り出すことが出来ました。
新型Switch(有機ELモデル)の基板には小さな銀板が付いています。
表面には合計3枚、そして裏側には…
1枚だけ銀板が付いていました。
このままでは徹底洗浄出来ないので…
ヘラなどを使って取り出します。
別の箇所も同じように…
取り出します。
これで全ての銀板を取り外すことが出来ました。
基板をよく観察してみると…
所々腐食しており、黒く変色しています。
超音波洗浄する前に…
接点洗浄液を吹きかけます。
ショートしたチップは非常に繊細なので、強くこすると簡単に剥がれてしまいます。
先をほぐした綿棒などで腐食部分をクリーニングします。
ある程度クリーニングが出来たら超音波洗浄器で徹底洗浄します。
その後アルコールに浸して取り出したら2時間温風にさらして乾燥させます。
徹底乾燥させたらある程度本体を組み上げて動作確認を行います。
取り出した銀板を…
元通りに付け直します。
背面も同じように…
銀板を取り付けました。
基板を本体フレームにセットして…
ケーブルを挟んでいないか確認しながら元の位置に戻します。
基板を元の位置に戻せたら…
合計6本のケーブルを…
元通り接続します。
ケーブルを全て接続出来たら…
最後にバッテリーケーブルを接続します。
それでは起動するか確認を行います。
まずは電源ボタンを長押しするも…
全く反応がありません…。
次に充電器を接続するも…
同じく、全く反応がありません…。
Switch用の充電器に10分ほど接続していましたが、全く通電していませんでした。
この時点で終わりではありません。
次にパーツ交換を試します。
新品のバッテリーを基板に接続して動作確認を行います。
電源ボタンを長押しすると…
この通り、任天堂さんのロゴが出てきました!
そのまま待っていると…
Switchのロゴに変わって…
ロック画面まで進みました!
画面に触れるとしっかりと反応あり…
ホーム画面までこの通り進んで操作することが出来ます!
タッチ操作や各種ボタンやスピーカーなど、一連の動作確認を行いました。
しっかりと充電反応もあります。
この時点で異常が確認されれば、お客様にパーツ交換等行うか確認します。
今回も一通り動作確認が終わったので…
電源ボタンを長押しして…
電源オプションをタップします。
電源OFFをタップして…
シャットダウンさせました。
今回の場合、電源が入った状態にするにはバッテリー交換が必須です。
データ移行するには電源が入ることが絶対条件なので、ひとまずお客様にバッテリー交換をされるか確認します。
当店の判断で勝手にパーツ交換して後から請求する、なんてことは絶対に行いません。
お客様からのお返事を待っている間に本体をある程度組み上げます。
まずはネジを留めて基板を固定します。
ヒートパイプを定位置にセットして…
3本のネジで固定します。
次にゲームソフト/microSDカードトレイです。
コネクタの位置を合わせて…
グッと押し込みます。
コネクタが接続出来たら…
上部のネジを留めます。
そうこうしている間にお客様からお返事を頂き、バッテリー交換することになりました。
Switchのバッテリーは非常に強力に本体フレームに固定されています。
交換するには粘着剥がしが必須と言えます。
粘着剥がしを吹きかけて…
ヘラを使って持ち上げます。
これで粘着が剥がれるので…
取り出すことが出来ます。
新品のバッテリーを基板に接続し…
本体フレームに接着します。
基板を覆っていた銀板を被せて…
9箇所ネジ留めします。
アンテナケーブルを接続して…
剥がした絶縁テープを…
全て元の位置に戻します。
アンテナケーブルを固定出来たら背面パネルを取り付けます。
背面パネルの下部にはツメが付いています。
ツメをフレームに引っ掛けて…
本体を覆うように倒します。
ツメが引っかかってある程度隙間が出来ますが…
グッと押し込むことで…
隙間なくぴったりと閉じることが出来ます。
後は全てのネジを留めると…
修理完了です!
念のため、組み上げてからも充電確認を行います。
しっかりと充電が溜まることも確認が出来ました。
これでデータ移行等難なく行うことが出来ます!
今回のように、水没することで電源が入らなくなっても、当店で修理を行うことで復活出来た例は数えきれません。
また、例え基板洗浄/乾燥、そしてパーツ交換をしても改善出来なかった場合、当店では基板修理まで行うことも出来ます。
お持ちのSwitch(有機ELモデル)が水没してしまった時も、ぜひ修理実績豊富な当店へお任せくださいませ!
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